第32回企画展
2009年冬から2011年夏までの調査成果
県内5ヶ所に散在する山口大学キャンパスは、いずれも法律用語で言うところの「周知の埋蔵文化財包蔵地」、つまり「遺跡」の上に立地しています。そのため本学では、土地の掘削をともなう工事等が計画された場合には、当館が遺跡の保護を目的とした文化財調査を行っています。
今回ご紹介するのは、平成21年度冬から23年度秋までに実施した構内遺跡の発掘調査成果です。この期間、本学の大規模な土地開発が小休止状態であったため、本発掘調査件数は減少しました。したがって遺跡に関する新知見はごく限られたものとなっています。これは、遺跡保護の観点からは決して不満の生じる状態ではなく、遺跡地に調査の鍬が入らない=遺跡が破壊されない状態であったことを意味しています。
一方で、本発掘調査ではありませんが、小規模な開発工事において、当館が工事現場で立ち会うこと(「工事立会」と呼ばれます)によって得られた遺跡情報が数多く存在します。工事立会で遺物等が出土すると、現場には緊張感が走ります。なにせ調査とは言え工事の最中。手早く遺跡情報を獲得し、出来る限り遺物を回収しなくてはなりません。ある意味では本発掘調査よりプレッシャーのかかる作業かもしれません。今回は、その工事立会の模様と、出土した遺物をご覧頂きたいと思います。
更には、遺跡調査とは屋外(遺跡地)で行う作業のみを示す言葉ではありません。出土した各種資料を持ち帰り、室内で丁寧に整理調査を行うことで、現地では気づかなかった新知見を得ることがあります。展示の最後に、室内作業中に得られた大成果を公開しています。小さな資料ですが、是非じっくりと御観察ください。
開催要項
【 主 催 】山口大学埋蔵文化財資料館
【 会 場 】山口大学埋蔵文化財資料館展示室
【開催期間】平成23年11月5日(土)〜平成24年1月27日(金)
【 休 館 日 】土・日・祝日・12月28日〜11月4日
※11月5日(土)は臨時開館
【開館時間】午前9時〜午後5時
【 入 館 料】力の限り無料!
|